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夢ブロ

見た夢を元にしたナニカ。不意に停滞。しれっと再開。

貞子

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貞子

1.
母方の実家だと思っていた。
奉公とか世話になるとか、子供のわたしにはわからない。
実際、どこであろうとわたしには同じこと。

母は相変わらずパタパタと忙しく働いている。
ここの大人たちにかまってもらった覚えなんてない。
わたしはいつも一人ぽっちだ。今日からは本当に・・・。

わたしが口も利かずいつまでもいじけているものだから、隅の部屋に追いやられてしまうのも無理はない。
今日はいつにもまして忙しいのだから。

この部屋は診療所のようにいくつかのパイプベッドがカーテンで仕切られている。
わたしはぼんやり窓の外を眺めている。
もう死んじゃってもいいかな。そんな想いが頭を過ぎる。

2.
黒い板の間には会席の用意が整っていた。
座布団の上に、客の名前と香典の額が書かれた札が置かれている。

3000円、3000円、5000円、5500円・・・。
わたしはその札を端から蹴り飛ばして回った。
わたしの唯一の友達がいなくなった今、こんな集まりは誰のためのものなのか。

10000円、15000円・・・。
どうやら金額によって席の様子も豪華になるようだ。
座布団の厚みが違う。

その一角はひときわ豪華だった。
100万円の席。。。
わたしはそれも蹴飛ばした。

100万円・・・!?

ハタと我に返った。いけない、ここは上客だ。
この屋敷の大のお得意様の席。
いくら子供の仕業とはいえ、さすがに母の立場は悪くなるだろう。

わたしはいい。わたしはいいんだ。もうどうでも。
だけど、母は・・・。

わたしは誰にも気づかれないよう、姿勢を変えることなく、蹴飛ばした札を蹴飛ばした足で元の位置に戻し始めた。
すると、丁度厨房から顔を出した主と目が合ってしまった。

これは小言くらいでは済まなそうだ。
運の悪いことに、そこへこの席に座る予定の「100万円の客」も来てしまった。


3.
100万円の客は、和服を粋に着こなした歌舞伎役者のような一行だった。
皆、面長で綺麗な顔立ちをしていた。
主が少女に何か言おうとすると、客の一人が笑顔でそれを制した。

この中で一番えらい人だと彼女は思った。
男は少女の目の高さまで屈み込むと、そのまま彼女を強く抱きしめた。

男は「生まれはどこだ」と訊ねた。
少女は「東北の田舎町」と答えた。

「そうか、そうか」
男は切れ長の目を更に細め抱きしめ続ける。

人に抱きしめられることがこんなに暖かいとは知らなかった。
人の腕の中がこんなにも安心できるものとは知らなかった。
彼女は声を出して泣いた。

それでも主はまだ彼女に何か言いたそうにしていた。
男は言った。
「主よ、この子を大切にしてやれよ。この子は変わるぞ、大きくなったら」

そして、一行の中で一番若い坊主頭の少年に声をかけた。
「あとでこの子を散歩にでも連れて行ってやりなさい」

少年は少し不服そうな顔をしたが、男の腕の合間から覗く少女の顔を見てハっとした。
泣きはらした少女の顔は、一瞬だが、先ほどよりも少しだけ大人びて見えた。



[夢から覚めて]
これ、思い当たる節がチラホラあって、ちょっと書くのキツかったわ。
あ、途中、視点変わってます。
タイトルは女の子の名前にしたかったので、一番当たり障りないかなと(キットクル~の)貞子にしてみた(^^;)

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